2010年5月7日

ハッピーの取り組み紹介、中小企業白書

中小企業庁は「2010年版中小企業白書」を発表しました。
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html

その中で、第2部・第3節「少子高齢化時代の新事業展開」の「中小企業における多様な働き方及び働かせ方」の項目で、事例として株式会社ハッピー(京都府宇治市、橋本英夫社長)が取り上げられています。

「均等処遇の実現で、成熟産業における経営高度化に成功した企業」
 京都府宇治市の株式会社ハッピー(従業員26名、資本金5,350万円)は、お洒落で高度な装いを永く楽しむために開発した同社独自の洗浄技術を活用して従来のクリーニングと一線を画し、平均顧客単価1万6千円の高付加価値な「ケアメンテサービス」を提供する企業である。同社の橋本英夫社長は、液体制御機器エンジニアリング会社に就職した後独立し、自前の洗浄方法(特許)を発明して実機化したほか、水洗いとドライクリーニングを同時に行う「アクアドライ」、黄ばみや染みを取り除く画期的な技法である「リプロン」等、独自技術を開発している。こうした繊維を傷めない洗浄技術は、ヨーロッパでも高く評価されている。
 同社では、パート社員は2週間の試用期間、3か月間の見習い期間を過ぎると、本人が希望すればいつでも正社員になれるため、雇用形態にこだわらない社風がある。そのため、評価制度についても、作業内容をコンピューターに記録することで社員の能力を客観的に評価できるようにして、自己啓発や技能研修の受講等により作業が改善すれば、雇用形態にかかわらない技能級に応じて昇給するようにしている。同社では、処遇の公平性を重視しているため、1日2時間のパート社員で入社した者が役員になることもある。
 同社の橋本社長は、「経営者の仕事は、社員に人生の青写真を引かせ、自主的に働く意欲を持たせることである。」と主張する。そのため、社長自ら30年の長期ビジョンを社員に提示し、自分の人生と会社の方向性を結びつけられるようにしている。各社員が「ハッピー」で、人生の目標設計を行い、目標に向かって努力できる動機付けが最も重要であると考えている。

白書では、中小企業がワーク・ライフ・バランス(中小企業における仕事と生活の調和)に取り組むにあたっては、従業員の評価・育成に力を入れていくことが効果的であり、現場の決定権の拡大及び処遇の公平性等を組み合わせていくことでより高い相乗効果が発揮される、としています。