調査によると2023年1月〜7月、負債1,000万円以上法的整理によるクリーニング店の倒産は21件。既に22年通年(15件)を上回ったほか、7月までに20件を超えたのは過去20年で初めて。このペースで推移すれば、2019年の28件を上回り、過去最多を更新する可能性が高いとのこと。
調査・分析によると、
クリーニング店はコロナ禍で甚大な影響を受けた業界の一つだ。外出自粛や在宅勤務の拡大で、スーツやワイシャツ類の注文が激減したほか、冠婚葬祭の中止でフォーマル衣装需要もほぼゼロに近い状態が続いた。そのため、コロナ直後の21年3月期は8割超が減収、赤字も最大で半数に上った。22年以降は外出制限が緩和されたものの、在宅勤務の定着もあって需要が伸び悩み、限られた顧客を他社と取り合う状態が続いた。
こうしたなか、石油やガス代の急激な値上げに直面し、ハンガーや溶剤、袋など石油製品も相次ぎ高騰。さらに年3万品目に達する食品の値上げなどで家計の節約志向が強まり、安価なコインランドリーなどに需要が分散し、収益力がさらに悪化した。その結果、「在宅勤務」「物価高」「節約志向」の三重苦を前に経営体力が限界に達し、事業継続をあきらめるケースが23年以降に急増している。
として、経営体力に乏しい中小クリーニング店で「あきらめ倒産」がさらに増加する可能性があると述べています。