9月27日午前4時20分ごろ熊本市南区近見で「建物から黒煙が出ている」と消防に通報がありました。鉄骨2階建てのクリーニング店の工場を半焼。2階の床およそ400平方メートルを焼いて、およそ3時間後に消し止められたとのこと。この火事によるケガ人はいませんでした。
関係者の話では出火当時、工場は無人だったということで警察と消防が火事の原因を調べています。
クリーニング店はコロナ禍で甚大な影響を受けた業界の一つだ。外出自粛や在宅勤務の拡大で、スーツやワイシャツ類の注文が激減したほか、冠婚葬祭の中止でフォーマル衣装需要もほぼゼロに近い状態が続いた。そのため、コロナ直後の21年3月期は8割超が減収、赤字も最大で半数に上った。22年以降は外出制限が緩和されたものの、在宅勤務の定着もあって需要が伸び悩み、限られた顧客を他社と取り合う状態が続いた。
こうしたなか、石油やガス代の急激な値上げに直面し、ハンガーや溶剤、袋など石油製品も相次ぎ高騰。さらに年3万品目に達する食品の値上げなどで家計の節約志向が強まり、安価なコインランドリーなどに需要が分散し、収益力がさらに悪化した。その結果、「在宅勤務」「物価高」「節約志向」の三重苦を前に経営体力が限界に達し、事業継続をあきらめるケースが23年以降に急増している。
被災者は8時30分から派遣先のクリーニング工場において、寝具の仕分け作業に従事していた。17時頃被災者の意識が朦朧となり、その場でひざまずいたため、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。