東京渋谷区の真ん中に戦後16年の間、広大な米軍施設、将校の家族向け住宅「ワシントンハイツ」があったそうです。その幻のアメリカの跡を、毎日新聞が「20世紀遺跡:近現代史をめぐる」シリーズで取り上げています。
http://mainichi.jp/enta/art/news/20100922ddm014040131000c.html
米軍は終戦後、日本陸軍の代々木練兵場だった土地を接収し、1947年にワシントンハイツを完成させました。敷地面積は約91万4千平方メートル。教会や劇場、テニスコート、アメリカンフットボールが楽しめる広場もあったそうです。
あわせて白洋舎の工場も接収。同社顧問の五十嵐有爾氏が当時のことを話しています。同社にとってハイツは大のお得意で、「建物が明るくて華やかでね。日本ではないような雰囲気でしたよ」。
記事には五十嵐氏が代々木公園の中に現存する数少ない旧ハイツ建物を訪れた写真も掲載されています。
「懐かしいなあ。残っているとは知らなかった」。
東京オリンピックのときにはオランダ選手が利用したとのことで、建物の前にはオリンピック記念宿舎の看板が。しかし公園内にはワシントンハイツのことを記したものは見当たらないそうです。渋谷区役所職員は「ハイツに関する資料は少ないんですよ。記録したいことではなかったからでしょうね」と語っているそうです。