2024年1月11日

神戸大とAGC、パークから同時ワンポット合成に成功

神戸大学大学院理学研究科の津田明彦准教授らの研究グループは、AGC株式会社との産学協同研究で、パークロロエチレンを原料として、医薬品やポリマーの原料となるカーボネート化合物と、溶剤や化学品原料となるクロロホルムの同時ワンポット合成に成功したことを発表しました。

パークロロエチレンは、不燃性で、溶剤に使うことができるほどに安定な化合物であるため、化学品原料としての利用は難しいと考えられてきました。しかし、同グループオリジナルの「光オン・デマンド有機合成法」を用いて、それを反応活性な化合物に変換し、アルコールと反応させることによって、工業的に重要なカーボネートとクロロホルムを同時に得ることに世界で初めて成功。パークロロエチレンの新たな活用方法およびアップサイクル方法として、実用化が期待されます。

この研究成果は2020年9月、2022年1月に特許出願、それぞれ2021年9月と2023年4月の国際出願を経て、2024年1月11日に関連の学術論文がThe Journal of Organic Chemistryにweb掲載される予定とのこと。