東京・武蔵野市が再開発事業に絡み、住居専用地域にクリーニング工場を斡旋、16年にわたり違法操業が続いていると朝日新聞が報じています。
http://www.asahi.com/national/update/0113/TKY201001130233.html
武蔵野市は1993年、JR武蔵境駅の再開発事業に絡み、駅近くで営業していた大佛クリーニングに対し、マンションや戸建て住宅が隣り合う同市境2丁目を移転先として斡旋。同社はここに本店兼工場を構えました。しかしこの土地は当時から住居専用地域で、建築基準法では工場が建てられませんが、同社は移転前と同様、石油系溶剤を使ったクリーニングを続けています。
周辺住民は騒音や異臭を訴え、工場稼働直後から移転や稼働停止を求めて何度も市に陳情してきました。市は1998年の立ち入り調査で違法状態を確認。この12年間で十数回是正指導してきましたが、強制力のある措置は取っていません。市用地課の担当者は「当時は、工場ではなく衣類を受け取るだけの取次店の認識だった」と説明しているそうです。
朝日新聞の取材に対し、同社露木幹也社長は「あっせんされた土地が、工場を造れない場所という説明は元々なかった。今になってダメと言われても困る。市が代替地を用意しなければ、経済的にも移転は難しい」としています。